錯視について
歯科医院、歯科技工所間でこういったやりとりを経験されたことはありませんか。
ドクター「C3(濃いめの灰色)シェードでの製作お願いします。」 技工士「C3で調和できそうですか?A系統(赤&茶系の色)ではありませんか?」 ドクター「シェードテイクでは間違いなくC系統でした。」 技工士「わかりました。」 ・・・そして後日。 ドクター「先日の患者様ですが、全く違う色でした。C3で再製作してください。」 技工士「シェードはC3で製作しましたので、C3では調和できないはずです。」 ドクター「ではD3(赤&灰色系の色)で再製作してください。」 |
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その後も再製作を繰り返し、最終的にはA系統で調和。
このようなことは生理学的な目の錯覚によっても起こります。
解説のためフォトレタッチした画像を用意しました。

これが元画像です。

残っている歯(└1,2)を切り抜いて、水平に反転させ合成させました。
この時点では中切歯の色は調和しています。

合成部分を少し下にずらしてみます。
赤みが出てきました。

合成部分をさらに歯肉から遠ざけるとどうでしょうか?
歯が赤く変色したように見えるはずです。
合成部分の画像も元の画像も、色に関しては全く操作していません。
レタッチソフトで計測しても、左右とも完全に同じ色です。
「ちょっと・・・信じられないなぁ」
という方は、下の画像を『クリックしながらドラッグ』して上の画像に重ねてみて下さい。

これが人の目による錯覚のタネ明かしです。
入射光は歯肉の赤色成分を拾いながら、歯質内で乱反射します。
加えて、歯列、歯肉など周囲の色の関係に目が錯覚を起こし、赤みがかった歯を白い歯と認識してしまいます。
当然この赤い色も考慮してシェードテイクしなければ、技工物が調和することはないのです。
従来のシェードテイク方法や、金属で裏装する補綴物では、人間の目に生まれながらに備わっている超高精度のオートホワイトバランスが仇となります。
技工士とドクターの間に、クリスタルアイのような『共通の色を認識する基準』というものが非常に重要になります。

